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アイドルビデオ個別評論

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新作アップ!

 井上和香    「和香白書」  1980円  リバプール 2006/1記




このDVDのコストパフォーマンス

 
 コンビニ限定販売のDVD。価格は1980円と安いが、レンタル店などにはなかなか並ばないため、和香ファンとしては買うしかない。

 今回は、ドラマも入れて、全体的に欲張った構成になっている。チャプター別に評論したい。


@ドラマ「隣のお姉さん」
 和香ちゃんもすでに25歳、芸暦も長くなり、ドラマに出る演技力もついてきたので、今回、ドラマ仕立てにしたんでしょうが。
<Good> 昭和の木造住居のやさしさと古めかしい衣装がけっこういい。意味深なお姉さんとしての色気も十分出ている。昔のイタリア映画「青い体験」シリーズに通じるものがある。
<Bad> 主人公となる中学生の画像は、和香ファンには不要。一切、男の映像は要らなかった。最初のワンカットだけ、この子供の声で状況設定の解説ナレーションを入れれば、見るほうは理解できる。そのあとは、和香ちゃんオンリーで良かった。
 古めかしい画像にしようと、画像をぼかしたりしているが、これは不要。また、カメラの揺らしも多く、見にくい。
 ドラマにするとどうしても時間が長くなる。今回は30分弱。ドラマを入れるのであれば、DVD全体で120分くらいの構成にして欲しかった。全体で60分弱のDVDなのに、ドラマで時間をとられ、あとの水着などは短くなってしまったのが残念。筋書きも陳腐で、最後に少年を飲み屋に連れて行くのは顰蹙。面白くない。

A「雑司が谷でお買い物」
 テレビ番組の「うち来る?」みたいな演出。和香ちゃんの素顔を見られるカットであるが、こういったDVDには不要ではないだろうか? 安直な時間稼ぎと思われる。




B「赤のドレス」
 非常に妖艶なセクシードレスであるが、露出度が少なすぎる。また、照明をわざとあてたり暗くしたり、和香ちゃんの姿を台無しにする演出をしている。完成されたきれいな照明で和香ちゃんの姿をじっくりと映せばそれでファンが喜ぶことをわかっていない。アップのカットが多く、うれしい反面、ティルトアップ&ダウンが頻繁で見にくい。
 ただし、このシーンで特筆すべきことは、「ビデオでは縦位置画像がなく、縦に長い人間の姿を撮りにくい」という欠点に対して、画像を正方形にマスキングすることで、それを克服している。これは面白い試みで評価できる。

C「インタビュー」
 和香ちゃんがカードを読む設定になっているため、男の声がないのはいい。でも、そもそも、こういうのって、ラジオでもいいようなくだらない内容ばかりで、和香ちゃんの肢体を見たくて、安くないお金を払っているファンをばかにしていないだろうか? カメラワークもまったくない、安易な撮影である。服も胸を隠すもので、まったくうれしくない。水着でインタビューならありがたいのに、もったいない。

D「マーメイド」
 やっと、やっと、水着である。待たせすぎだよ。38分もすでに経過してるよ。夏にロケできなかったのだろう、洋館のような瀟洒な建物の中でビキニを着ているが、この水着はいい。いいのに、「ボカシが多い」「カメラ動きすぎ」、ちゃんと落ち着いて撮ってよ。時間も4分くらいしかなかった。残念。30分にして水着の種類を3〜4種類にするとか、下着姿にするとか、いくらでもやり方はあるのに、もったいない。

E「茶碗蒸しを作る」
 料理なんかどうだっていいんだよ。水着で料理ならうれしいけど、「手元のアップばかり写す」「胸はエプロンで隠れる」「調理方法を教えるために時間が長い」など、ほんとダメ。最後はドラマに出ていた中学生に食べさせて、「オイシイ」と無理矢理言わせてる。つまんねえ。こんなのに5分も使わないで欲しい。



F「マーメイド2」
 体をすっぽり隠すワンピースでプールの水面にあおむけにプカプカ。絵としてはいいかもしれないけど、セクシーではない。人魚をイメージしてるんだろうけど、やはり、水着で泳がないと。水中撮影はまあよかった。




G「以前の作品を振り返る」
 今回、一番良かったのが、なんと、このコーナー。つまり、今回撮影したものではない部分。以前発売された「初恋」と「和香日和」より、水着シーンをほんのわずか抜粋し、その映像を見ながら和香ちゃんが、「あの時はこんなだった」と懐かしむナレーションが入っている。こういう、本人の声が入るのは好感が持てる。長野県のロケの「滝の前の赤ビキニ」、これはかなりよかった。本編だけなら、20点だが、この赤ビキニのおかげで、70点(価格が安いから、点数が高い)の評価をつけた。でも、前二作を持っている人には意味無し。



<総論>
 和香ちゃんももう25歳、お肌の曲がり角だし、過酷労働の疲れも見える。若々しい姿を撮れる最後のチャンスだったのに、着衣姿ばかりだったのには、がっかり。
 毎度のことだが、これだけの逸材をモデルとして、こんな駄作しか作れないスタッフが情けない。スケジュールを押さえるは大変だろうが、限られた拘束時間でももっといいものが撮れるのに。和香ちゃんの場合、下半身が超デブでみっともないんだから、きれいな顔と豊かな胸を、安定したカメラでじっくり撮れば、それだけでファンは満足。

 もったいない。

 ただ、「胸にテロップを入れない」とか「男性スタッフの汚い姿や声が入らない」など、評価すべき点もある。(というか、これは常識だけどね) 

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井上和香が魅せる!
大胆な最新水着ショットを多数収録!

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発売元HPには、こう書いてあります。水着なんかちょっとしかないのに、なんでこんなウソをつくんでしょうか? 悪質です。

 とはいえ、和香ちゃんファンなら買いなさい!







 井上和香  小学館 「WAKASAWAGI」  1980円

このDVDのコストパフォーマンス

 コンビニで売られる1980円の廉価版DVD。週刊ヤングサンデーのグラビア撮影に同行し、横から申し訳なさそうにお邪魔しながらビデオ撮影した「擬似メイキング」ビデオです。でも、廉価版といえど、グラビア撮影のおこぼれとしたら高すぎます。

 見た印象を一言で言えば、「もったいない。こんないい素材を使っているのに」。井上和香といえば、今絶好調のグラビアアイドル。「出っ歯」「唇が厚ぼったい」「実はけっこう下半身デブ」「胴が長い」「オッパイの形もさほどよくない」などと批判されますが、雲霧的にはそんなこと構わずに、「いい女」です。その”最高の素材”を得たというのに、こんな駄作しか作れないスタッフ、情けない。もったいない。私が撮りたかった。

 ダメな点
<オープニングが長すぎる>・・・わずか45分の中、オープニングに3分半、エンディングに2分費やしています。 その画面には、和香ちゃんの姿は少なく、小さく、逆にスタッフ名のクレジットがやたら長く出てきます。「駄作ほどスタッフ名を出したがる」という法則に見事に合致しています。和香ちゃんの映像も、無意味に分割したり、おかしな効果を加えてばかり。作った奴、本当のバカモノです。
<わざと小さくするな>・・・各チャプターの冒頭にはインタビューシーンがありますが、写真のコマを見立てたフレーム内に小さく入れてしまいました。和香ちゃんの姿をわざわざ小さくするな。ファンをなんだと思ってるのか。横長画面にするためにわざと上下に黒を入れるカットもたくさんあります。もったいない。被写体をもっと大きく映して欲しいです。
<しょせんは横から盗み撮りか>・・・メインはグラビア撮影、ビデオはおこぼれ、という感じが見え見え。横や後方から望遠で撮っているせいか画面はブレが多い。ビデオ用の照明をセットしていないため、暗い画像が多い。写真の撮影というのは逆光や半逆光を多用し、レフ板やストロボで光を起こす。そこをビデオで撮るのは実は悪条件。当然のことながら、グラビアで見た絵しかない。新鮮味がない。時々スタッフの姿が映りこみ、甚だ迷惑。ジャマ。汚い男の姿など映すな。
<特殊効果はジャマなだけ>・・・二つ以上の画面をオーバーラップさせる「リゾルブ」という手法が多用されていますが、和香ちゃんの姿をはっきりみたいファンにとってはにとっては、ムダ、ジャマなだけ。編集スタッフの自己満足に過ぎないことを理解して欲しい。
<写真ばかり>・・・和香ちゃんファンはグラビア掲載雑誌はすべて購入しているため、あらためて雑誌と同じ写真を見てもありがたくありません。時間のムダです。申し訳なさそうに、静止画像をズームしたりして変化をつけようとしているのが目立ちますが、これもムダ。ビデオは動いてなんぼ。
<水着が少ない>・・・本人も言っているように「今回のロケは洋服が多いんです」。たしかに水着が少ない。ワカパイの露出が少なく残念。
<ティルトアップばかり>・・・アイドルもののビデオで多用される、「足元から、ゆっくりと顔までレンズが上がってくる撮影方法」=ティルトアップ。「動いてばかりのため、多用はタブー」と言われる、飽き飽きする撮影方法を何度も何度も多用しています。それよりも、「顔だけ」「胸だけ」「腰だけ」とカット割りをしてじっくり静止した画像で見せることを身につけて欲しい。カメラマンへたくそすぎる。
<胸にテロップ入れるな>・・・これもいつも不快に思うこと。なんで理解できないのか不思議でしょうがない。和香ちゃんのセールスポイントはバスト。それなのに、インタビューシーンで、画面下部、彼女の胸のあたりにテロップを入れる。アホか? 胸が隠れるだろう。
<特典映像ってこれだけ?>・・・空港のロビーで淡々と話すシーンを6分も使っています。この間、カメラワークは何もなし。こんなつまらない映像が特典? (胸を強調した服なのは許せるけど)
<風景はいらない>・・・北海道の景色が素晴らしいのはわかります。でも、景色を撮影したいなら「風景写真集」を作って下さい。ファンは彼女の姿を見たいのであって、風景はどうでもいいです。「風景だけ」はもってのほか、「風景の中に彼女の姿が小さく」というのも無用です。エンドタイトルでクレジット入れるときだけに使う程度にして下さい。

 それにしてもいつも思うことですが、こんな駄作を作って、制作スタッフは「自分たちはプロ」だと思っているのでしょうか? 信じられない。
 値段が安いのと素材が抜群ということで70点をつけましたが、スタッフの技量は20点もあげられません。
 


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