<アイドルビデオ(DVD)に関する考察>(特にパイドル)
写真集のみならずビデオ(特に最近はDVD)が発売されることが多くなりました。写真集同様、「ファンだったら無条件に買うだろう」と、安直に作られた駄作のなんと多いことでしょう。満足できる作品はほとんどありません。長年、いろいろなアイドルのビデオを買ってきた雲霧が、手抜きビデオをブッタ切ります。
ビデオソフトにもクーリングオフ制度を!
内容がわからない
ビデオである以上、店頭で内容を見ることはできないため、しかたないことかもしれません。しかし、内容がまったくわからないものを買うのは冒険です。ましてビデオは高いです。昔は12000円とかしました。いくら好きなアイドルとはいえ、どんなものかわからない作品に1万円以上のお金を払うのは、一大決心が必要でした。そして、その作品のどれもが駄作でした。今はかなり安くなりました。3800円程度が平均でしょうか? とはいえ、やはり気軽に買える値段ではありません。コンビニ専用で販売される2000円前後の廉価版がありますが、これくらいならありがたいです。今はビデオよりDVDに重点が移ってきました。DVDのほうがコストが安いですから、価格ももっと下げてもいいと思います。
いろいろなビデオを買い集めてくると、制作メーカー名で優劣の判断がかなりできるようになります。昔、大陸書房という会社が「ピラミッドビデオ」という当時としては激安のビデオシリーズを発売していました。激安だからたいしたことはないのですが、それでも最低限のレベルが維持されていたため、まあまあ安心して買えました。今のメーカーで考えると、ベガファクトリーは最悪です。どれも駄作です。
ビデオで困るのは、ジャケット写真とビデオ内容が必ずしも合致していないことです。ビデオとして収録されていない場面が使われていたりします。パッケージを見て、「この水着はいいな」と思って期待しても、ビデオにはないことがあるのです。がっかりします。詐欺です。
アイドルビデオは写真集撮影のオマケとして片手間に撮影されるパターンが多いです。そのため、いいスチル写真はあります。それをジャケットに使っているのです。
また、写真ではきれいでも、ビデオカメラが安物を使っていると、ビデオの画質は悪いです。こういうことはパッケージからはわかりません。タイトルも内容とはまったく関係ないつけ方をしていますから、とにかくパッケージを見ただけでは中身はさっぱりわかりません。
きちんと見せろ
ビデオの特長は動くことです。自分の好きなアイドルの動く姿が見られる、これがありがたいのですが。困ったのは、やたらアイドルを動かすこと。これではじっくり見られません。静止画にして見てもブレていたりします。もっと、頭にくるのは、カメラ側をやたら動かすバカなカメラマンが多いこと。「Final Beautyシリーズ」は、この作風が顕著で、やたらカメラを振り回します。ズームもガンガン使います。このため、被写体であるアイドルの肢体が落ち着いて見られません。「ビデオだから動いているほうがいいだろう」「ただ、じっと撮影しては芸が無い」と誤解している愚かな製作者がなんと多いこと。ファンの心理をまったく考えず、自分たちの好きなようにやっています。ファンというのは、好きなアイドルだったら、何もしない姿を見ているだけでもうれしいものです。
音を大事にしろ
ビデオのもうひとつの特長、それは音です。アイドルビデオでは「声」ということになるでしょう。せっかくのビデオなのに、まったく声がないものもあります。もったいないです。逆に、どうでもいいようなくだらないインタビューを長々と収録しているものもあります。雑誌の記事でよく見かけるようなありきたりの話は、わざわざ入れる必要はありません。それに、質問する側の男の汚い声は、収録しないでいただきたい。テロップで十分。
アダルトの場合は、一般テレビに出ることは少なく、たまにインタビューがあっても、それなりに価値はあります。しかし、アイドル、特にトップアイドルの場合、「ごきげんよう」「さんまのまんま」などのトーク番組に出演することも多く、テレビで話を聞けます。(しかもただで)
高いお金を払って買ったDVDに、テレビでいくらでも見られる内容が入っていては、ファンは怒ります。インタビューはすべてカットして、バストの映像をもっと出すべきです。
また、「詩の朗読」や「ファンへのメッセージ」のようなものを長々と流すビデオも多いです。下手糞なシャベリは聞きたくないです。メッセージも、いかにも「誰かが代わりに作った」ようなわざとらしい文章内容で、まったく心がこもっていません。
BGM音楽も手抜きが多いです。安物の音楽は、画像の品位を下げます。アマチュアがシンセで安直に作ったピコピコした音楽よりは、どこかで聞いたことがあっても、名作音楽ののほうがまだましです。
安物機材、安物スタッフで安直に作らないで欲しい
けっこう一流アイドルと呼ばれる娘でも、駄作が作られています。むしろ、一流のほうが「スケジュールが忙しく、撮影時間が短い」「本人がわがままでいうことを聞かない」「ネームバリューだけで売れるだろうと、手抜きする」などの要因で、駄作が多いです。まだ、控え目だったデビュー当時に作られた作品が、良質だったりします。
「DVDだから画質がきれい」という宣伝文句でも、機材が安物では画質は悪いです。プロのくせに、一般家庭用に毛がはえた程度の安物機材(軽くて撮影も楽)で平気で撮るカメラマンがいて閉口します。安物機材は露出の調整がしにくいため、アイドルの顔が真っ暗だったりします。メイクや照明も手抜きが多いです。
特に、写真集の撮影と同時にビデオを作っている場合、手抜きがひどいです。これでは、せっかくいい素材を使っても、作品としては駄作で、当然、ファンもがっかりです。
アイドル写真集のロケ現場というのは、日差しの強い南国が多く、明るさの差が激しい場所です。普通以上に照明や露出調整に気を使わなければならないところなのに。
意図的でない画面のブレにも閉口します。プロがプロらしいのは、丈夫な三脚を使って、しっかり固定画面を撮影できることです。ハンディで撮るのは「サボリ」であって、プロとはいえません。それに、ハンディでしか撮れない場合でも、もう少し揺らさずに撮るべきです。素人スタッフが多く、情けないです。
風景や小物はいらない
海外ロケの場合、「高い制作費を使って遠くまで行ってきたんだぞ」と自慢したいのか、風景だけの映像が多く挿入されます。でも、風景なんていらないのです。アイドルの姿が見たいのです。ホテル内部の調度品までアップで見せたりしますが、これも無駄。
時間を長く
ビデオだったら、標準テープでも120分収録できます。DVDならもっとです。なのに、多くの作品は35分程度、短すぎます。どうせ駄作なんだから、もっと長い時間収録して欲しいです。ファンというのはどうでもいいような場面でも、好きなアイドルが写っていればそれでいいのです。最低でも90分は欲しいです。写真集のように「ページが増えればコストが比例して増える」ものではありません。ほとんどコストは上昇しないです。特にDVDは頭だしが簡単ですから、長くなっても問題はありません。
特に、インタビューがやたら長く、本編がほんの10分少々などという、超手抜きはやめていただきたい。売り物にならない。
オッパイファンの気持ちを考えろ ちゃんと脱げ!
これは写真集と同じですが、オッパイを売り物にしているアイドルなら、オッパイ中心に撮影して下さい。水着もオッパイが見えにくいワンピースはやめていただきたい。ビデオなんだから、胸がタップンタップン動く姿をぜひ撮影して欲しい。縄跳びは必須科目。
顔のアップをやたら撮りたがって、肝心のバストをなかなか撮らないバカカメラマンも多いです。オッパイアイドルの場合、顔はほとんど二の次、美人でもないのに、アップはやめて欲しい。気持ち悪くなる。
そして、デビューして何年もたち、作品も多数出して、十分稼いだなら、いい加減隠すのはやめてきちんと全裸になって欲しい。特にせこいセミヌードは絶対にやめて欲しい。イライラする。変に胸をおさえたり、おかしなポーズを取るため、不自然な姿勢が多く、作品の質を下げるだけ。ちゃんと脱いで!
特殊効果やめて!
「いろいろな特殊効果を使うと、ファンが喜ぶだろう」と誤解しているバカが大勢いるようで、「やたらカメラを回転させる」「昔の映画のように画像を粗くする、わざと傷をつける」「セピアカラーや白黒にする」「ワイプやリゾルブを多用する」など、ビデオならではの特殊効果を多用するビデオが目立ちます。「特殊効果を入れないと、見ている人から、安直に作っていると思われる」と勘違いしているのかもしれません。
しかし、アイドルビデオの場合、そのアイドルの肢体をきれいに、忠実に見せてくれればいいのであって、ほとんどの特殊効果はジャマものです。まったく必要ありません。わざわざ手間をかけて醜いものを作っているスタッフを軽蔑します。
メイキングビデオなの?
写真集とのタイアップの場合、写真の撮影風景やメイクシーンなどを延々と見せるビデオがあります。超手抜きのメイキングビデオです。こんなものに金を払って買う価値はありません。メイキングなら、写真集に付録としてつけて下さい。単体で高額で売らないでいただきたい。また、やたらスタッフが出演する楽屋みたいなビデオも多いです。ファン全員が「あんたらの顔なんか見たくないよ」と思っています。「カメリハ」という、ピント合わせや画角の練習をしているところまで使っているビデオもあります。本来隠すべきものです。高校生の文化祭の映画のほうが、まだましです。こちら側が金をもらいたいくらいです。
字幕スーパーの入れる場所を考えて
比較的良心的な製作者の場合、インタビューシーンの質問項目をスーパーで入れてくれます。男の声が聞こえないというのは良いことです。しかし、入れる場所が問題です。画面下に入れると、バストショットの場合、モデルの胸に字幕が重なってしまうのです。胸が見たくてビデオを買ったのに、その胸を隠すがごとく字幕を入れられてはたまりません。右に入れるとか左に入れるとか、いくらでも手法はあります。
また、井上和香のDVD「和香日和」では、最後に最高の水着シーンが出たのに、なんとそこにスタッフロールをかぶせていました。愚の骨頂!
横位置画面を考慮して
写真とビデオの最大の違い、それはビデオは縦位置撮影ができないことです。テレビを90度回転させることはできません。単独の人物撮影の場合、写真では縦位置撮影が多用されます。人間が直立しているからです。横位置でしか撮影できないビデオの場合、人間を撮ると左右に無駄な空間が発生します。実にもったいない空間です。これを埋めるにはどうするか? 寝そべったポーズを多用すればいいのです。こうすれば、横位置の利点を活用できます。写真では、横位置は左右のページにまたがる構図になり、綴じ代があるため見づらく、好まれません。しかし、ビデオは横位置こそベストなのです。この特性を生かしたポージングを積極的に考えるべきです。
それにしても、愚かな駄作を作るスタッフほど、エンドロールが長く、スタッフ名が長々と繰り出されて、字体もおしゃれです。
バッカじゃなかろか?
2006/8補追 オープニングの名場面集はやめたら?
最近のアイドルビデオでは、オープニングに、全シーンのエッセンスを短く見せる手法が多用されています。この方法、アダルトビデオでも、流行ってます。
製作者サイドとしては、「ツカミ」なのかもしれませんが、DVDを見る人というのは、購入したか、借りたか、いずれにしても手元にそのDVDがあるわけで、ずっと見ていればそのシーンを見ることができるわけです。予告編なら、いいシーンを集めて短時間で見せることは有効ですが、本編でこういう手法は無用だと思います。
アイドルビデオというのは、「次はどんな衣装かなあ?」「どんな水着かなあ?」「どんなロケーションかなあ?」と楽しみに待ちながら見るものです。それが最初に全部見せられたら面白みが半減します。また、最初にいちばんいいシーンを集めてしまうため、その後に映し出される本編のシーンのほうが質が劣ることが多く、いっそうがっかりです。アイドルビデオでも、起承転結というか、流れが大事だと思います。最初にボルテージが上がって、その後はどんどん下がっていく編集では面白くないです。やはり、徐々に興奮度、完成度があがっていく構成にすべきでしょう。
なんか、ほんと、アイドルビデオの製作者のレベルが低すぎます。
また、テレビ番組の中の数分のロケならともかく、3000円以上で売る品物なのに、「たった1日のロケで作られる作品」の多いこと多いこと。制作費安すぎです。それなら、1000円で売りなさい。手抜きしすぎです。