
紗をかけてぼかしたり、光に凝ったり、いろいろなテクニックを使いたがるカメラマンがいます。そして、そういう写真を好むモデルがいます。
しかし、そのタレントのファンの立場(特にパイドルファン)に立ってみれば、自分の好きなタレントをはっきりと見たいのに、そんなジャマなテクニックは不要です。製作者サイドでは、「どうだ、芸術的な写真だろう」とえばりたいのでしょうが、そんなのただの自己満足で、見る側は何の評価もしていません。
アイドル写真を撮るカメラマンというのは、どこか引け目を感じています。「あんなにかわいいアイドルなんだから、誰が撮ったって、きれいに撮れるよ。カメラマンの腕なんか関係ない」と言われるからです。自然の写真を撮るカメラマンは、その被写体を見つけるまで、その場にいることだけで、大変な苦労をして、そして、技術とセンスのいい写真を撮ります。最初から、最高の被写体を与えられているということは、そういう点では評価されません。そのため、「自分の優秀さ」を見せ付けたがります。また、モデルも、見せ掛けのテクニックに惹きつけられて、「これいいわ」などと言ってしまい、それを聞いたカメラマンは、調子に乗って、いわゆる「芸術的・テクニック重視の写真」に走ろうとします。その結果、ファンの心理は無視されてしまいます。
しかし、素人さんの中には誤解している人もいるようですが、まるっきり「芸術性はいらない」「テクニックはいらない」というものではありません。例えば、安上がりに作られたビニ本の類を想像してください。わりときれいなモデルさんを使っても、汚い写真になってしまいます。やはり、ある程度の芸術性やテクニックは当然必要なのです。それに、小泉今日子とか武田久美子、優香クラスのどこからどう撮ってもきれいに写るタレントならいいですが、ランクが落ちるタレントの場合、「きれいに見せる」努力は必要です。吉岡美穂もテレビで見るとさほどでもないのに、グラビアで見るとすごくきれいです。これには、メイク、スタイリスト、カメラマンなどのスタッフの努力があるのです。
結論を申します。素人目に見て「芸術的」「テクニック駆使」と感じさせる写真は、パイドルには不要です。オッパイをよく見せてくれればいいのです。しかし、ゼロでは困ります。本当のプロなら、素人にはわからないように、嫌味のないように、テクニックと芸術性を表現して、きれいな写真をとります。問題は、見る側が不快に思わないレベルがどれくらいか、製作者側が知らないことです。作り手には、そのタレントのファンはいないのではないか? と思います。 |